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2016.09.20

熊本地震による消費税簡易課税制度選択(不適用)の特例

熊本地震の発生から4か月がたちました。被災した多くの事業者の皆さまが、建物や設備の修復、再仕入れなどを行う事態になったことと思います。

災害等によって課税仕入れが増加したり、事務処理が困難になったりした場合のために、消費税簡易課税制度選択(不適用)の特例が設けられています。

被災後の状況によって、納税負担や事務負担が軽減される方法をご検討されてはいかがでしょうか。

災害の場合は「当期から」簡易⇔本則の変更ができます

 消費税課税事業者は、基準期間の課税売上高が5,000万円以下の場合、消費税の計算方法について、一般課税(本則課税)か簡易課税のいずれかを選択できますが、どちらを選択するかは原則としてその選択しようとする課税期間の初日の前日までに届出書を提出する必要があります。

ただし、災害等によって簡易課税制度の適用が必要となった場合、または必要がなくなった場合、申請書を提出して税務署長の承認を受ければ、課税期間の初日の前日に届出書を提出したものとみなされる、つまり災害のあった当期に変更を適用できるという特例があります。

例えばこのような場合に適用されます

簡易課税から本則課税への変更

災害等により、棚卸資産や事業用資産に相当な損失を受けて緊急な設備投資等を行う場合

本則課税から簡易課税への変更

 災害等により、事業者の事務処理能力が低下した場合

災害のやんだ日から2か月以内に、申請書を提出します

 『災害等による消費税簡易課税制度選択(不適用)届出に係る特例承認申請書』に、災害等のやむを得ない理由、被害の状況、この特例を受けることが必要になった事情などを記載して、所轄税務署長に提出します。

併せて「消費税簡易課税制度選択(不適用)届出書」を提出します。

提出時期

 災害のやんだ日から2か月以内(ただし、災害のやんだ日が期末日以降なら申告期限まで)
災害のやんだ日については、明確な日が定められているわけではなく、個別の被害状況によるようです。

税務署長の承認または却下

 承認または却下の処分は、申請をした事業者に書面で通知されます。期末日の翌日から2か月以内に承認または却下の処分がなかったときは、承認があったとみなしてよいことになっています。
(災害等のやんだ日が期末日以降の場合はこの限りではありません)

簡易課税「2年継続適用後」でなくても、申請できます

通常に簡易課税を選択した場合は、2年間継続して適用した後でなければ選択をとりやめて本則課税にすることはできません。しかし災害特例においてはこの規定の適用がありませんので、災害のあった当期が簡易課税を選択して適用2年目であっても、本則課税への変更を申請できることになります。

翌期の計算方法を戻したい場合は、届出が必要です

特例を適用した期の翌期については元の計算方法に戻すことができますが、当期中(翌期の初日の前日まで)に「簡易課税制度選択(不適用)届出書」を提出しておく必要がありますので注意しましょう。



《参考リンク》

国税庁 タックスアンサー
No.6632 災害等により簡易課税制度の適用を受ける(受けることをやめる)必要が生じた場合
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/6632.htm

国税庁 税務手続きの案内
[手続名]災害等による消費税簡易課税制度選択(不適用)届出に係る特例承認申請手続
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shohi/annai/5024.htm